| 平成18年10月・ 通巻第94号 | |||||||
| 【判決の概要】 | |||||||
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| 《書 誌》 情報提供 TKC税務研究所 | |||||||
| 【文献番号】 | 28111863 | ||||||
| 【文献種別】 | 判決/東京地方裁判所(第一審) | ||||||
| 【判決年月日】 | 平成18年 1月27日 | ||||||
| 【事件番号】 | 平成16年(行ウ) 第506号 | ||||||
| 【事件名】 | 個人事業税賦課処分取消請求事件 | ||||||
| 【TKC税務研究所提供判示事項】 | |||||||
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| 【裁判結果】 | 棄却 | ||||||
| 【裁判官】 | 鶴岡稔彦 古田孝夫 潮海二郎 | ||||||
| 【参照法令】 | 地方税法72条5項4号、72条の16第1項
憲法14条 |
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《本件判決についての解説》
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《本件判決に対するコメント》
1.事業税の性格
本件は、 原告の不動産貸付けが個人事業税課税の対象となる不動産貸付業に該当する規模であるかどうかの判定に当たって、 共有不動産にあってはその共有持分に着目して判定するべきか、あるいは、共有持分にかかわりなく、 共有者各自につき共有物件全体に係る貸付面積及び賃貸料収入により、 事業性の判定をするべきかが争点となった事案である。 この争点に判断に先立ち、判決は、事業税の性格ないし課税の根拠について判断をしている。これは、課税庁の側が、 事業税は、事業収入に応じて課税される応能税ではなく、 個人や企業が都道府県から受ける公共サービスを根拠とする応益税であるとするのに対し、 原告側が、現行法上の事業税は、 応益税としての性質と、 応能税としての性質を併有するものと解されるとし、 その証左として個人事業税の課税標準について、 所得を基準としていることを挙げたことに由来している。 判決は、事業税に関する主要な文献を検討するとともに、シヤウプ勧告や立法の経緯をも参酌して、さらに、 原告が指摘する課税標準についても、法人の行う電気供給業、ガス供給業、生命保険業及び損害保険業に対しては、 各事業年度の収入金額を課税標準としており(地方税法72条の12)、また、事業税の課税標準の特例として、 事業の情況に応じ、所得によらないで、資本金額、売上金額、家屋の床面積若しくは価格、土地の地積若しくは価格、 従業員数等を課税標準とし、又は所得とこれらの課税標準とを併せ用いることができるとする規定が存在すること (同法72条の19)なども併せ考慮すると、事業税は、 事業という収益活動の事実に担税力を見出して、 事業そのものに対して課する税であり、 事業が都道府県の公共サービスから受ける利益の対価としての性格を有するものであり、 応益税としての性質をもった税であると判断している。 そして、事業そのものに着目すれば、 当該不動産の貸付部分の全部につき全共有者が共同して一括して貸し付けているものと評価することができるとしているのである。 2.共有の性質 民法249条は、「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」 と定めるところ、課税庁側は、 共有者の共有物に対する支配は、他の共有者の支配による制約を受けながらも、 共有物の全部に及ぶことを主張の根拠としている。 これに対し、原告側は、 他の共有者の支配による制約を受けること、 その収益が共有者間で按分されることをその主張の根拠としている。 判決は、この条文自体(民法249条)は、 共有不動産の貸付けが事業に該当するかどうかの判定とは直接関係する規定ではないとした上、 共有不動産の貸付けの場合、 共有者間に不動産の各部についての独占的な使用収益の取り決めが存在するなど各共有者がそれぞれ独立に貸付けを行っているものと認められるような特段の事情のない限り、 当該不動産の貸付部分の全部につき全共有者が共同して一括して貸し付けているものと評価することができるとし、 事業規模を考える上では、 共同事業者の数は関係のない事柄であり、その収益が共有者によって按分されることについては、 課税標準の上で考慮されることになるとしているのである。 この点は、比喩としていうのであるが、株式会社が行う事業の規模を論じる場合に、 その資本関係において、 いわゆる公開会社であって多数の株主によって資本が分割所有されているか、あるいは、 少数の株主によって支配されているかは関係がないことからみても、明らかである。 端的に言うと、判決は、「原告の主張を前提とすると、大規模な商業ビルを建設し、 それを多数のテナントに賃貸して多額の賃料を得ているという、外形的には明らかに不動産貸付業が行われ、 行政サービスによる相当程度の利益を享受していると見られるような場合であっても、 当該商業ビルが相当数の者の共有となっている結果、 個々の共有者の持分割合を前提にした計算をすると、 都局長通達の定める基準に達しない場合には、 事業税が一切課されないということになるが、このような結論は、 事業税の応益税的性格に明らかに反するものであるといわざるを得ない。」と判示している。 3.参考 本件は、個人事業税の事案であるが、所得税における事業たる不動産所得であるかどうかの判定は、 共有持分にかかわりなく、 貸付物件全体で行うこととしている(肥後達男編・ 所得税質疑応答集改訂新版119頁参照)。 |
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